「地元意識が強い人ばかり」住民が離れ離れに…心配する声も 被災地区の区長の思いは 佐賀関火災 大分

2025年12月09日 18:30更新

大分県大分市佐賀関の大規模火災は9日で発生から3週間です。

 

 

被災者の生活再建へ向けた動きが進む中、住民からは、近所の人と離れ離れになってしまうことを心配する声も聞かれています。

 

多くの世帯が被災した田中地区の区長にいまの思いを聞きました。

 

 

 

◆田中三区・山田二三夫区長(70)

 

「3週間経つが今までの間、(避難所などで)皆さんと仲良く出来たのが良かったのかな。火が完全に消えたということは、(自宅に)戻れる人もいるし、戻れない人もいる」

 

 

この3週間を振り返り、いまの思いを話してくれたのは、山田二三夫さんです。

 

 

今回の火災で多くの世帯が被災した田中三区の区長を務めています。

 

 

11月18日の火災発生当時の映像です。

 

 

◆警察官

 

「火が迫ってきていますのでここ出ましょう」

 

 

◆住民「車置いてていい?」

 

 

◆田中三区・山田二三夫区長(70)

 

「もう車なんか乗って行かれん」

 

 

当初、多くの住民が一時的に避難したのは、田中公民館でした。

 

 

区長の山田さんが、自宅から公民館の鍵を持ち出し避難所として開放したそうです。

 

 

さらに、こんな行動も。

 

 

◆田中三区・山田二三夫区長(70)

 

「実際は(住民が)集まりかけた時に顔を見ていない人が1人、2人いたので走って家に(確認に)行った」

 

 

 

 

 

火災の翌日。

 

 

避難所となった佐賀関市民センターでは、他の地区の区長や市の職員と一緒に、住民の安否確認を行う山田さんの姿がありました。

 

 

およそ110世帯が暮らしていた田中地区。

 

 

高齢者も多く住むこの地域から今回の火災による人的な被害は出ませんでした。

 

 

田中地区では津波や火災を想定した避難訓練を年に1回行っていたといいます。

 

 

◆田中三区・山田二三夫区長(70)

 

「訓練のおかげもあったのかな。皆さん生きる力が強かったと思う」

 

 

 

 

 

火災の発生から3週間。

 

 

生活再建に向けた動きが進んでいますが市が提供する市営住宅は、佐賀関地区に23戸。その数には限りがあります。

 

 

多くの人が佐賀関での生活を望んでいますが…

 

 

◆田中三区・山田二三夫区長(70)

 

「高齢者がこっちに残って、若い人は動けるのでそちらを優先した方がいいですねという話は聞く」

 

 

そのため60代以下の世代では近隣の坂ノ市や大在の仮住まいを選択する動きもあるそうです。

 

 

 

 

 

◆田中三区・山田二三夫区長(70)

 

「今から個人個人がどういった道を歩むのかというのがあるが本人たちも何かあれば(佐賀関に)帰ってくると思う。私は心配していない。地元意識が強い人ばかりだから、いずれは帰ってくるだろう。その辺は確信している」

 

 

高齢者への声掛けや見守りを日常的に行っていたという田中地区。それぞれの生活再建に向け一時的に近所の人同士が離れ離れになっても、またみんなで地区を復興させたいと山田さんは願っています。

 

 

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